ものづくり補助金とは?概要・対象者・要件・申請の流れまで徹底解説【2025年】

最大3,500万円もらえる補助金がある」と聞いたら、興味を持たずにはいられませんよね。2025年度のものづくり補助金は、サービスの付加価値向上を支援する補助金で、中小企業・個人事業主が機械やシステムを導入する際の資金をサポートしてくれます。本記事では、「自社は対象になるの?」「どうやって申請するの?」といった疑問に答えるべく、対象条件から準備すべき書類、そして申請後の流れまでを徹底解説します。中小企業診断士と経営者の会話形式で、読みやすく理解できる構成でお届けします。


目次

対象チェックをしましょう

事業者・経営者

ものづくり補助金は、興味があります。
ただ、そもそも、弊社は、補助金の対象になるんでしょうか?

中小企業診断士・長谷

ものづくり補助金は、人気な補助金です!
対象か気になりますよね!?
まずは、対象になるか一緒にチェックしていきましょう。
④つの条件があります。

①中小企業者に該当するか

事業者・経営者

中小企業者の定義を教えてください。

中小企業診断士・長谷

下記に公表されいている定義の表を添付致します。

業種資本金要件従業員数要件
製造業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業及びその他業種5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
中小企業診断士・長谷

該当する業種を見ていただいて、資本金もしくは従業員のどちらかが超えていないければ「中小企業者」となります。
なので、資本金5,000万円以下または、従業員数50人以下であればどんな業種でも中小企業となります。

つまり、全国企業の97%が対象となる可能性があります!

事業者・経営者

なるほど!
弊社は、製造業で資本金1億円、従業員数348人です。
資本金が下回っているので該当します!
中小企業者かどうかは、要件を満たしています!

②50万円以上の機械 or システムを導入する

中小企業診断士・長谷

次は、50万円以上の機械かシステムを導入する必要があります。

事業者・経営者

こちらは、大丈夫です!
今回、1,000万円の機械を導入したいと考えています。

中小企業診断士・長谷

こちらの要件も大丈夫そうですね!

③補助事業で「新たなサービス・商品」の提供を行う。

事業者・経営者

こちらは、今回、導入する機械で新たな商品を提供すると言う認識であってますでしょうか?
また、今の機械を入れ替えるような使い方は、できますか?

中小企業診断士・長谷

良い質問です!
おっしゃる通りです。
機械やシステムを導入したことで新たな商品・サービスを提供できるかが大事になります。
そのため、既存の機械を入れ替える費用は、対象外となります。

事業者・経営者

理解しました!
新たな商品を提供するために1,000万円の機械を入れたいので、大丈夫そうです!

中小企業診断士・長谷

それでしたら、この要件も見ていますね!

④従業員及び役員の「賃金」を3年間〜5年間引き上げる *個人事業主も対象

中小企業診断士・長谷

最後は、賃上げの要件があります。
今の補助金全般のトレンドの要件ですね!

そして、今回の要件から賃上げの要件が更に細かくなりました。
一緒に見ていきましょう。

事業者・経営者

賃上げですね。。。
要件次第では、難しそうです。

中小企業診断士・長谷

簡単に言うと、従業員と役員の賃金を3年〜5年間引き上げる必要があります。
3年間〜5年間というのは、事業計画の作成で3年で作成した場合は、3年間、5年で作成した場合は、5年間となります。

賃金を年2~3%引き上げが必要です。
ただ、ここは、もっと細かい要件があるため、実際に申請を進める際は、細かくチェックが必要です。

一旦、ここのチェックとしたは、年最低2%~3 %あげれますということであればOKかなと思います!

事業者・経営者

それぐらいの比率でしたら大丈夫そうです!

中小企業診断士・長谷

それでしたら、全てのチェック項目クリアですね!

チェックリストまとめ

  • 中小企業者に該当するか
  • 50万円以上の機械 or システムを導入する
  • 補助事業で「新たなサービス・商品」の提供を行う。
  • 従業員及び役員の「賃金」を3年間〜5年間引き上げる *個人事業主も対象

この4つの要件をすべて満たしていれば、
あなたの事業はものづくり補助金の対象となる可能性が高いです。
中小企業・個人事業主でもチャンスは十分にあります。
まずは要件に合致しているかを整理し、
次は申請準備に進みましょう!

ものづくり補助金の概要

概要

対象者中小企業者 / 個人事業主
補助額750万円〜3,500万円
補助率1/2~2/3
事業内容高付加価値サービスの開発・取り組みに必要な設備・システム投資を支援
4つの条件①付加価値要件_年率3%以上増加
②賃金(給与支給総額)を目標値以上増加(最低2%)
③地域別最低賃金 +30円以上
④仕事・子育の両立要件(一般事業主行動計画)
事業者・経営者

事業内容のところがよくわかりません。解説してください。

中小企業診断士・長谷

ここは、よくわからないですよね。。。
高付加価値というのは、客単価が上がるサービスまたは、新規顧客が増えることです。
例えば、今まで、1万円のサービスで新たにシステムを導入したことで更に付加価値の高いサービスになりました。
導入したことで、今まで1万円だったサービスが1万2,000円になって、客単価が上がりました。
このシステムを導入したことで客単価が上がるのであれば付加価値になります。
あと、新たにシステムを導入して、新規顧客が増えることも付加価値に該当します。

なので、このどちらか(客単価向上もしくは、新規顧客の獲得)が書ける設備・システムの導入であれば対象になります。

一点、注意点です。
今回から業務改善のためシステム等は、ダメです。
例えば、これまで、入力作業にエラーがあったため、新たにシステムを導入して、業務効率を改善しますみたいな内容は、NGです。
業務効率や生産性向上の取り組みをしたい場合は、省力化投資補助金等他の補助金を使いましょう!

事業者・経営者

なるほど、理解できました!
あと、付加価値要件とは、なんでしょうか?

中小企業診断士・長谷

付加価値の計算式があります。
営業利益+減価償却費+人件費の合計が付加価値額となります。
これを事業計画所上で年率3%以上増加させる必要があります。

事業者・経営者

これは、弊社で数値を決めていかないといけないのでしょうか?
どんな数値を立てていけば見当もつきません。

中小企業診断士・長谷

ここは、中小企業診断士等と相談しながら作成いただくとスムーズかなと思います!

事業者・経営者

わかりました、それであれば安心です!

中小企業診断士・長谷

あとは、仕事・子育ての両立要件というのがあります。
これは、従業員数21名以上だと必須です。
なので、貴社は、この要件も対象です。
やることとしては、一般事業主行動計画を両立支援ひろばというWEBサイトに掲載します。
行動計画の掲載までに2週間程度かかるため早めの準備が必要です。

事業者・経営者

わかりました!
こちらは、進めておきます。

ものづくり補助金のスケジュール

STEP
GビズIDの発行

補助金申請する上で必ず必要なものになります。

まだ、持っていない方は、早めに発行しましょう。

マイナンバー持っている場合は、1日で発行できます。

ない場合は、1週間程度かかります。

発行済みの方は、ログインできるか事前に確認しておくと直前で慌てずに済むと思います。

STEP
公募受付(2025年4月11日〜)

今回から事業計画所の提出方法がかわりました。

申請方法は、システム内に事業計画所を提出します。

STEP
申込締切(2025年4月25日)
STEP
採択発表(7月下旬頃)

あくまで、事業計画所の内容を認めましたよという発表です。

STEP
交付決定(8月下旬頃)

計画書に基づいた、必要経費の見積もりが適正化どうか審査してOKかNGか判断されます。

そのため、交付決定のタイミングで見積書が必要になります。

STEP
補助事業の実施+中間報告(2025年8月下旬〜2026年7月下旬)

ものづくり補助金は、少し特殊で、中間報告というものがあります。

中間検査とは、補助事業を実施する2週間前に事業を始めますという中間報告をします。

この報告をしたら、事業を開始できます。

STEP
実績報告(2026年7月下旬)
STEP
確定検査(⑦の1ヶ月後)

確定検査は、事務局の方が実際に現場まで来て検査します。

導入したものや書類をチェックします。

STEP
補助金の交付(⑧の1ヶ月後)
STEP
事業化状況報告(毎年4月、5年間)

ここでは、賃上げの要件に注意してください。

毎年、賃金台帳を提出して、賃金の状況を報告します。

要件が満たされていない場合は、補助金の返還が必要です。

まとめ

2025年度のものづくり補助金は、最大3,500万円という大きな支援が受けられる一方で、対象となるにはいくつかの明確な条件を満たす必要があります。特に「付加価値の向上」と「賃上げ」は重要なポイントであり、制度の意図をしっかりと理解したうえで申請準備を進めることが求められます。要件に合致していれば、中小企業や個人事業主にとっても大きな成長のチャンスとなる制度です。採択後も実績報告や年次報告などが続くため、事前にスケジュールを把握し、余裕をもった準備が重要です。まずはGビズIDの取得と、事業計画・見積書の準備からスタートしましょう。補助金を味方につけて、あなたのビジネスに新たな付加価値を加えるチャンスをぜひ活かしてください。

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この記事を書いた人

中小企業診断士としての立ち位置から、できるだけ分かりやすく・多面的にビジネスに関する情報をお伝えしていきます!

◆長谷 有希央のプロフィール
1991年、青森県生まれ。埼玉県育ち。エールジャパン株式会社 経営企画部 / 中小企業診断士 / 認定経営革新等支援機関 事業計画書・融資計画書作成に圧倒的に強い中小企業診断士として知られ、全国から計画書作成依頼が後を絶たない。事業者が賞賛する事業計画書作成で、補助金申請した際の採択率は90%以上となり、全国平均50%を圧倒的に凌ぐ。徹しており、実行された譲渡補助額は10億円を超えている。さらに、融資向けの事業計画書融資実行率は80%を実現し、銀行からも評価以上の高い計画書を作成しいる。他には、事業計画書作成ノウハウや検討されるノウハウを相談、事業計画書を書く人の育成や、補助金を活用し事業展開をしていきたい 企業の顧問を複数社負担、全社2年間で売上が2倍以上に増加しています。

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