東京都限定!最大補助額800万円・補助率4/5の「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」を徹底解説【2025年最新版】
「補助金って、うちも使えるのかな?」
そんな疑問を抱えていた東京都の中小企業経営者が、プロの中小企業診断士・長谷さんに相談しながら、補助金活用の道を切り開くストーリー。
今回取り上げるのは、最大800万円・補助率4/5の助成金『事業環境変化に対応した経営基盤強化事業』です。
対話を通じて、申請のコツや落とし穴まで、リアルに学んでいきましょう!
経営強化助成金とは?

最近“経営強化助成金”っていうのが熱いって聞いたんですが、どんな内容なんですか?



はい、東京都が出してる助成金で、補助額は最大800万円、補助率も最大4/5。かなり条件が良いんですよ。ただし対象やルールも細かいので、しっかり理解する必要があります。
基本の内容をチェックしていきましょう!
対象 | 東京都に登記・納税している中小企業・個人事業主 |
補助額 | 最大800万円 |
補助率 | 通常2/3。賃上げ要件達成で4/5 |
対象経費 | 機会装置、システム費、不動産賃借料 等 |
対象者の要件をチェック
①東京都内に登記簿上の本店または支店がある中小企業・個人事業主であること



うち、本店が東京都内で購入したものは、東京都以外の地域にある事業所におきたいんですが、可能ですか?



はい、可能です!
ただ、東京近辺になります。埼玉、神奈川、千葉、群馬等です。
ただ、登記簿上の登記が支店の場合は、事業実施場所は、東京都内のみです。本店が東京都以外にあって、支店が東京都内の場合ですね。
個人事業主の場合は、納税地が都内にある必要があります。



中小企業や個人事業主の定義は、ありますか?



はい!定義が決まっています。
中小企業は、従業員50人以下または資本金5,000万円以下が目安です。
業種毎に若干違いますが、こちらを満たしていれば基本的には、中小企業になります。
例えば、この数値以上の会社で情報通信業の場合、従業員300人以下、資本金3億円が中小企業に該当します。
②以下のいずれかの条件に該当すること
- 直近決算期の売上が2023年以降と比較して減少していること
- 直近決算期において営業損失を計上していること
- 米国関税措置の影響で来季決算の売上が減少見込であること



3番は、見込みで良いんですね!



そうなんです!見込みで良いんです!
外敵要因ですからね。うまく絡めれば、申請できそうですよね!
ぜひ、診断士や契約しているコンサルに相談してみてください。
③単独申請可能な費用を計上している



どうゆうことでしょう・・・



わかりづらいですよね。
単独での申請がNGな費用があります。
以下の3つです。
①専門家指導費
②販促費
③その他経費
機械装置費やシステム費などと絡めて申請しましょう!
④既存事業の「深化」または「発展」に取り組むこと



「進化」・「発展」難しい言葉ですね。
具体的にどういうことでしょうか?



なかなか、聞かない言葉ですよね。
「深化」は、既存事業で同じ商品をさらに高付加価値化したいとか、業務効率を改善して生産性を高めたいとかが「深化」になります。
「発展」は、新しいサービスや新しい市場にチャレンジすることが発展。
今と同じ事業は、だめですね。
チェックリスト
以上の①〜④が全てチェックがつけば対象になります。
- ①東京都内に登記簿上の本店または支店がある中小企業・個人事業主であること
- ②以下のいずれかの条件に該当すること
- ③単独申請可能な費用を計上している
- ④既存事業の「深化」または「発展」に取り組むこと
補助額・補助率・対象経費について



表形式でチェックしていきましょう。
コース | 一般コース | アシストコース |
---|---|---|
対象者 | 都内に登記している中小企業・小規模事業者・個人事業主 *事業実施場所も都内または、都内近郊 | ・小規模事業者 -製造・その他20人以下 -商業・サービス5人以下 ・個人事業主 |
補助額 | 最大800万円 | 最大200万円 |
補助率 | ・基本:2/3 ・賃上げ(中小):3/4 ・賃上げ(小規模事業者):4/5 | ・基本:2/3 ・賃上げ:4/5 |
賃上げ要件 | ①給与支給総額を1.02倍にする ②地域別最低賃金を+30円以上 | |
対象経費 | 機会装置・システムのみ *販促費とまぜないように | |
<単独申請OK> 原材料・機会・委託外注・知的財産・システム・不動産賃借料 <単独申請NG> 専門家・その他経費・販促費 | ||
対象経費について注意事項
アシストコースで計上できる費用は、機械装置とシステムのみです。他の経費は、申請できません。注意点として、販売促進費と混ぜないように注意が必要です。



しっかり公募要領を読まないと販促費を誤って、システム費用で計上してしまうケースがあります。
ここで、質問です。
システム開発で見積もりの中に「要件定義書」という項目があると思います。要件定義書の費用は、対象になるでしょうか?



開発で必要な経費なので対象になると思います。



皆様、そう思われると思うのですが、実は、対象になりません❌!
他の補助金は、対象になりますが、この制度で要件定義書は、コンサル費に分類されます。



なるほど!勉強になります。
大事なことは、見積の依頼をする際に、不適切な経費が含まれていないか事前に確認することが重要ですね。



そうですね!まさにその通りです!
さらにこの制度では、単独申請可能な経費と不可の経費があります。
下記の通りです。
<単独申請OK>
原材料・機会・委託外注・知的財産・システム・不動産賃借料
<単独申請NG>
専門家・その他経費・販促費
番外編
各費用について少し深掘りしていきます。
原材料費は、本製品前の試作段階における原材料費は、対象経費として認められます。販売予定の本製品の原材料費は、対象になりませんので注意が必要です。
営業代行費は、委託外注費に含まれません。理由としては、公募要領に開発や試験等しか書かれていないためです。
基本的に、事務局から「この経費対象外ですよ」と言われる時に計画書に記載してるじゃないですかと言っても、それでもNGを出す時があります。これの時事務局か公募要領に書いてあるかないかで判断します。
実際にあった事例として、製品の開発を委託する際の経費は、委託費じゃないですか?と聞いても事務局としては、ダメといわれました。理由を聞くと公募要領に書いてないからです。と回答でした。ただ、公募要領には、〇〇の開発「等」と書いてあったので、この「等」は、なんの「等」ですか?と聞いたら飾りの「等」ですと言われてダメでした。笑
この時は、他の経費振り替えて、問題なかったですが、公募要領に書いてない言葉は、弾いてくる傾向にあるので気をつけましょう。
では、営業代行費は、どこに入れるかというと、単独申請NGの「その他経費」に入れます。
次は、システム開発費についてです。
例えば、3年間契約のクラウドシステム利用して、100万円/年×3年で300万円計上したい場合は、補助事業期間までの分までしか対象になりません。注意してください。
スケジュール
この経営基盤強化事業は、2ヶ月に1回公募かかっています。この例では。2025年7月14日〆切の第2回公募でみていきたいと思います。
下記の日時は、参考です。事業実施期間が短かったり、事務局とのやりとりで時間がかかったりする場合は、遅くなったりします。
【申請で必要なもの】
- GビズID
- 見積書
- 相見積書
- 事業計画書



見積書と相見積書の内容は、統一して作成する必要があります。
違うのは、相見積書の方が高い、本見積書の方が安い点だけです。
エクセル形式で事業計画書等の書類を提出
1ヶ月程度で結果きます。
書類審査通った場合は、面接の日程と追加で必要な書類の案内がメールできます。
面接審査では、面接官2名程度のいます。
結構、細かくヒアリングあるため、申請内容を確認しておきましょう。
特に、事業計画と収支計画について確認されます。数字の部分を細かくきかれるので、数字周りも覚えておきましょう
【必要な書類】
- 履歴事項全部証明書
- 見積書
- 相見積書
ここで初めて、見積書の内容を注文できます。
こ交付決定より前に契約や発注、支払いをしているものは、全て対象外です。
アドバイザー派遣は、中小企業診断士がきます。
この時に入金されるのは、確定した助成額の2/3です。
支払いされた、翌月から1年間です。
残りの1/3が入金
まとめ
ここまでご紹介してきた「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」は、補助額最大800万円・補助率最大4/5という、東京都内の事業者にとって極めて魅力的な制度です。
一方で、申請のためには以下のような細かな条件や注意点を正確に押さえておく必要があります。
- 東京都内に登記または納税地があること
- 売上減少・営業損失・減少見込みのいずれかに該当すること
- 単独申請可能な経費を含む計画であること
- 「深化」または「発展」に該当する取り組みであること
- 見積書や相見積書の整合性を取ること
- 交付決定前の発注・支払いは一切NG
また、事務局とのやりとりや審査スケジュールなど、実務的な面でも段取りが重要です。特に数字に関する説明や、システム費・販促費などの区分は間違いやすいため、専門家と連携して進めるのがおすすめです。
「補助金ってうちも使えるのかな?」
そう思った今が、第一歩を踏み出すタイミングです。東京都のこの制度は2ヶ月に1回公募があり、準備さえ整えば十分にチャンスがあります。
ぜひ一度、ご自身の事業内容がこの助成金に適しているか、この記事をチェックリスト代わりに確認してみてください。
わからない点や気になることがあれば、コメント欄でお気軽にご質問ください。中小企業診断士などの専門家との連携も含めて、着実に活用していきましょう!
あなたのチャレンジが、次の事業成長への一歩になりますように。
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